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column 22

株式会社リペリア2022.11.22

「行動力」でつくる、
地方で働くという新しい選択肢。

大学が長期休みになると、東京でインターンシップに参加していたという室田さん。その経験がヒントになって、地方と首都圏を「副業」で繋ぐマッチングサービス『ともるい』を考案します。今までに無いビジネスモデルとして脚光を浴び、2019年から新潟県の委託事業にも採択されました。身近にいるいち大学生だった室田さんが、なぜ新潟で創業し、起業家としての道を選んだのでしょう。

室田 雅貴(むろた まさたか)1995年生まれ。群馬県前橋市出身。学生の頃から地方と都会を往来しながらエンジニアとして力を高める。様々な出会いを経験した後、新潟にR(ルーツ)ターンしリペリアの経営に専念する。

新しいビジネススタイルを提供する

大学在学中に起業されましたが今年で何年目でしょうか?
また、御社の事業内容を教えてください。

9月3日で3周年なので4期目に入りました。株式会社リペリアは、首都圏の副業人材の方と新潟県内を中心とした地方企業さんを、副業でマッチングするサービス『ともるい』をメインに展開しています。

他には、ぼくのキャリアとしてエンジニアがバックグラウンドであったり、社員もエンジニアやマーケティング、ITに強いメンバーが集まっているので、地方企業のSNSの運用やPR周りのサポートが最近になって増えています。行政と一緒に新潟県のためになる仕事をさせていただく機会も多くなり、さまざまな方向に事業が広がっています。

 社名の「リペリア」の由来は?

ちょっと読みにくいスペルですけど、ショウドウツバメっていうツバメの生物分類上の種がリペリアなんです。ぼくらは、「どこでも暮らせる社会を作りたい。好きな人と、好きな場所で、好きな暮らしができたら幸せだよね」って世界観で事業をやっていこうとする中で、自分たちの適切な場所に移動していく鳥としてツバメという渡り鳥を表現したいとロゴのモチーフにしました。ベンチャー企業というか、スタートアップ企業としてスピード感をもって飛んでいきたいという思いも込めています。

御社のサービス『ともるい』について詳しく教えてください。

首都圏に住んでる副業人材の方、例えば、新潟県出身で首都圏に就職したような方が「新潟に貢献したいな」と思った時にできる事には限界がありますよね。Uターンするのもハードルが高いし、「ふるさと納税」など関わりをもつ事はできるんですけど、仕事として貢献するにはキャリアや住む場所とか、決断する事が多過ぎると思います。それを繋げる形で、ハードルをなるべく下げたのが「副業」かなと。せっかく東京で培ったスキルや経験があるなら新潟に還元して欲しい思いもあり、首都圏にいながら地方、新潟に貢献できるサービスが、この『ともるい』です。

首都圏にいる方が地方で働くので、オンラインでできるエンジニア、ライター、マーケティング、企画戦略の分野が多く、そういった方を企業としても求めています。ビジネスモデルというかサービスの仕組みとしては、無料で企業さんの記事をサイトに掲載させていただいて、「どういう事業を今やっているのか」「こういった事をしたいけれど人材がいない、ノウハウがないのでこういう方を募集したい」と、その企業さんの魅力を伝えるためにも緻密に記事を書かせていただいて。企業さんからするとPRというか、広告のような使い方もしていただけるマッチングサービスのサイトになっています。 

フットワークの軽さを武器に。

会社のビジョンが「ぼくらに迷う楽しさを」となっていますが…。

「迷う」って普通はマイナスの言葉ですけど、ぼくらと出会った事によって迷いの種がどんどん増えて…、例えば大学を卒業して首都圏に就職しようとしていた方が「新潟での就職もいいかな」って迷ってくれるとか、そんな迷いの種がどんどん増えていくと逆に「自分の道を積極的に選べるようになるのかな」という思いがあって。その積極性が、就職した先とか、選んだ道の先で、自分の自信や覚悟に繋がるのではないかと。

『ともるい』に関しても「就職をしても他の会社で働けるよ」っていう副業の選択肢ですよね。しかも首都圏にいながら地方の会社で働けるって世界観は、首都圏に住む方たちはまだもちにくいですよね。そんな迷いの種を増やして、結果としてUターンやIターンする人が新潟に増えたらうれしいですね。

「一人の熱量が、複数人に伝播して動いてく」のが、ぼくは本当にあり得ると思っていて。熱量のある人が増える新潟を目指してこのサービスを続けています。

大学時代に起業されましたが、その経緯は?

ちょうど新潟県が「起業、創業に力を入れよう」というタイミングで、県のみなさんがあったかくて、いろんな方が応援してくださって。「波に乗った」という感じで、気がついたら会社を起こしていました。本当にがむしゃらに、模索しながらやらせていただいています。

大学で、自分の力でいろいろとできるようになった成功体験が大きいと思うんですけど、やはり見守ってくれる人というか、素敵な大人との出会いが新潟だと多くて。それがぼくにとってのルーツなのかなと思います。よい人に恵まれたおかげで新潟が好きになり、ぼくの世界観として「好きな人と、好きな場所で、好きな暮らしを」という思いと、「新潟に何かをしたい」という方が周りに多いからこそ「ぼくもその一員になりたい」という思い、それが強くなりましたね。

起業されてから今まで、いろんな方がサポートしてくださったそうですね。

多分ですけど、年上の方とすぐに親しくなれるのがぼくの強みかなと思ってまして(笑)。たくさんの方によくしていただいているのですが、与えられるばかりの関係だと長くは続かない。やはり恩をいただいたところに対して「ぼくが今できる最大限の恩をしっかり返して、ぼく自身も恩を売り続ける」という事は意識しています。

室田さんが愛されキャラで、いろんな人が応援したくなるのかと思っていました。

今まで社会をつくってきた人って熱量で全てを巻き込んで、人を巻き込みながら実際に推進していくのが、ぼくの思う起業家だと思っていて。ぼく自身もお願いされたり任された時には徹底してちゃんとやる。結局、仕事も人と人との繋がりでしかないと思うので、その人間関係をつくる上で、仕事だからやるのではなくて、「その先に何が待っているのか、その仕事の先で誰が幸せになるのか」までしっかりと考えて仕事をした方がいいと思っています。

人と親しくなるポイントはありますか?

ぼくの場合はすんごい「フッ軽(フットワークが軽い)」です。基本的に、どこでも、いろんなところに顔を出しています。あと、スケジュールはカツカツにしないように心がけています。「時間を空けていた方がチャンスが多い」というぼくの哲学があって。「あ、今から行けます」の方がやはり誘われやすいし、知り合いが多ければ多いほど共通の言語としてぼくを話題に出しやすいし。フッ軽で誘いやすいというポジションを取れているのかなと思います(笑)。

 夢は言えば叶う。

都内大手企業にも入社されたそうですが、どういったいきさつでしょう?

ぼく自身が都会に住んだ事がないのは説得力ないなと思い、まずは自分が副業を体験してみないと副業する人の気持ちになれないと決断しました。ヤフーにはエンジニアで入社しているのですが、エンジニアとしても色々学びたい欲と、いろんな人が使うサービス設計に携わることで身につくことは非常に多いと思ったのでヤフーに就職しました。その企業にはエンジニアで入社しているのですが、エンジニアとしていろいろ学びたい欲と、いろんな人が使うサービス設計に携われば身につく事が非常に多いだろうという考えもありました。

これからも新潟に貢献されていくと思いますが、今後の事業の抱負を教えてください。

ぼく個人としては、地方創生や地方への貢献はやはり雇用を生み出していくので事業を大きくしていきたいです。そうして、しっかりと会社をつくり上げて、地方発ベンチャーのロールモデルにぼく自身がなりたいという思いで今やっています。そのためにも事業展開として、副業のマッチングはもちろんですが、SNSを主軸にしたパートナー事業や、地方企業さんが、全国、世界と戦うための発信をサポートさせていただけたらうれしいですね。

雇用が大切というお話ですが、室田さん自身が雇用をする際はどんな思いが?

一緒にメンバーになってくれた方の人生を背負う気持ちでやっています。だからこそ、うちの会社でメリットを感じていただける環境をつくったり、会社としての成長ももちろんですけど、個人としてのキャリアの成長もしていただきたいと考えています。仮にメンバーが転職した時に、「リペリアから来た人はとても優秀だね」と言っていただけたらすごくうれしいですね。幸いにもまだ離職率0%なので、このままみんなが成長できる環境をつくっていきたいです。 

室田さんは人との繋がりを作るのがとても上手だと思いました。

ぼくの場合、まとめる力があるかというとそうでもないですが、夢とか熱量というのは人よりもあると思っています。自分の夢に共感してくださる方が会社のメンバーになってくれて、社外でも応援してくれる方が増えているので、「こういう事をしたい」という自分のビジョンや夢を伝え続ける、というのは大切だと思います。そこに対してしっかりと熱量を込めて自分自身が動き続ける行動力が全てだと考えているので、言ってしまった以上やることは意識しています。あとは1回言っちゃうともう2回目3回目どんな夢を言っても恥ずかしくないので、「また何か言ってるよ、ただ、あいつが言ってたら何かできそうじゃない?」って温度感にまで段々と持って行けたらもう勝ちですね。そこに対して突き進めば、言っただけその関連の情報が集まりやすくなるし、周りがサポートしてくれたり、そういう人たちと出会いやすくなるので、本当に言ったもん勝ちだと思います。

地方が日本の未来になると信じている。

これからの夢はありますか?

夢というか、ぼくらは「こういう社会であるべきだ」と定義してそこに向けて進むのではなくて、ぼくらが「働きやすい環境で、しっかりと世のためになるサービスを生み出し続けた結果こうなるよね」と、輪を広げていく感覚で事業展開をしているのが今の会社の立ち位置というか、進め方です。「ぼくらに迷う楽しさを」をビジョンに掲げていますが、ぼくら自身も迷える楽しさを楽しみながらこの輪を広げて、その先に「選択肢が増えた社会はこうなるよね」って定義していきながらやっていきたいです。

大きく言うと、「地方が日本の未来になる」とぼくは本気で思っているので、地方から何かをやるとか、地方が活躍していく社会をつくりたいし、地方発で世界と戦える会社を本当につくっていけたらうれしいですね。目先でやるよりはしっかりと事業をしていけば社会はつくれると思っているので、そこにもうフルコミットで行くしかないですね。

20代、30代の方に生きていく上、仕事をしていく上でのメッセージをお願いします。

「飛び込む行動力」って大切だと思っていて、ぼく自身も経験を積んでいく中で飛び込んでいった結果、今があるんです。飛び込んだ先で夢を語ったら仲間ができて、その仲間が一生の仲間とか、一緒に会社を立ち上げる仲間になる可能性もありますよね。

会社と家とサードプレイスと、そしてそれだけじゃなくて、いろんな環境に飛び込む勇気を持っていると、いろんな組織に属したり、いろんなところから吸収したものが自分の財産になるし、そこでのスキルとか自分のノウハウを培っていくとまたいろんなところで力を発揮できると思います。

とにかく飛び込む行動力を持つのと、さっき出た「人から親しまれる力」も磨いていき、さらにそれを磨いていくと本当に働いていて楽しくなって、働くという感覚がだんだん無くなってくる。そういった人生を歩めると、いろんな選択肢が出てきて「迷える」にも繋がってくるし、自分ができる事を増やしていった方が、いろんな人と、いろんなお仕事をご一緒できて本当に楽しい人生になると思います。

インタビュー:2022年9月

Information

株式会社 Riparia 2019年9月創業。「ぼくらに迷う楽しさを」というビジョンの下、都会と地方を「副業」と いうキーワードでマッチングするサービス『ともるい』を立ち上げる。新潟の企業の課題を解決するPRパートナー事業や、インターンシップの受け入れを積極的に行い、新潟を盛り上げる人材育成にも取り組む。

〒950-0916 新潟県新潟市中央区米山2丁目6−7 WorkWith 米山 4D 
URL:https://riparia.jp/

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